一年で一番よかったと思えるほどすばらしい季節の6月。日照時間の長さには驚きます。朝は3時前から、夜は11時すぎまで明るいのです。寝る時間も明るいので、いつ寝ればいいの?なんて思うくらい不思議な季節でした。

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毎年6月25日前後はミッドサマー(夏至)。一年で一番日の長い日のことです。至る所で夏至をお祝いするお祭りがあります。特にスカンセン(Skansen)のミッドサマーのイベントは有名です。まいちゃんもここでスウェーデンの伝統のダンス、フォークダンスを踊りました。私たちも、大勢の人たちに混ざって踊りました。本当に楽しかったです。伝統を大切にするスウェーデンの最も大きなイベントの一つです。

約1年のスウェーデンでの滞在は私にとって宝物となりました。マクロビオティックを学びにという目的で行くことに決めましたが、それ以上のことが得られたと思います。人それぞれ、いろいろな形で海外に滞在する機会があると思いますが、こんな特別な時間が過ごせたこと、出会ったたくさんの人々に感謝しています。お世話になった小川家は郊外にあったため、歩いて森に行けるという自然がすぐ近くにある環境。スウェーデンの四季をより身近に感じることができました。日本でも同じですが、四季の変化のすばらしさは、春の芽吹き、夏の新緑と暑さ、秋の紅葉、春を待ちわびる暗くて寒い冬、そして再び春を迎えた喜び。人間は自然と共に生きていくことを忘れてはいけないと思います。そして友子さんから学んだことも数知れず。時には厳しさもありましたが、愛情いっぱいの女性です。

スウェーデンを離れる時に友子さんがくれた手紙。

マクロビオテックは「愛情」「手作りする暮らし」
くみこさんならきっと実現できますよ。

友子さんの手作りお弁当がまた食べたいです。

ありがとう。さようなら、スウェーデン。

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5月に入ると、日照時間もどんどん長くなって来ました。森へでかけると新緑の美しさに心が癒されます。森でスギナの群生をを見つけました。これは神聖なすばらしい風景でした。このスギナ、日本のものと少し違うのは、日陰を好んでいるようで、たくましいというよりもおしとやかな印象でした。森へでかけて摘んで来ては干して、保存します。その他の野草は、たんぽぽはごま和えなどに、ネスロールはスープやパンに練りこんだりして食卓にだしました。ネスロールはとげがあるのでとても危険、絶対に手袋をして摘みます。調理後は素手で触っても大丈夫ですよ。


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スウェーデンが発祥のお菓子と言えば、シナモンロール。北欧のお菓子の定番ですよね。スウェーデン語ではKanelbulle(カネールブッレ)と言います。だいたいのお店、喫茶店に行けばあります。普通のお店で売っているものはかなり大きなサイズです。渦巻き状になっていてシナモンが効いててけっこう甘い。

友子さんのシナモンロールは、自家製酵母で作るオリジナルです。小さ目なのがまたかわいい。私も大好きなので挑戦してみました。

シナモンロール レシピ                                         

小麦粉 8dl マルト 1.5dl 天然酵母 2dl   小1/4  1dl  シナモンパウダー 適量 なたね油 適量 アーモンド 適量

作り方

小麦粉マルト(塗り用に少し残しておく)、酵母を混ぜ合わせ生地をまとめ、こねます。ボウルに入れて蓋をして、1日以上かけて自然に発酵させます。倍くらいになったら成型。台に粉をふり、生地を二つに分けてローラーで伸ばします。残しておいたマルトをハケなどで端から2〜3センチくらいを残して全体に塗ります。シナモンパウダーを全体に振ってくるっと巻くき、3センチくらいずつ切り型に入れて、そのまま2時間ほどおいておきます。最後に刻んだアーモンドを上にのせて、225℃で10分ほど焼いて出来上がりです。


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美しい教会 

あちこちでみかける教会。ひとつとして同じ教会はなく、それぞれが個性的で美しく、そして高い建物で大きいです。ほとんどの教会は無料で中に入ることができ、その中のいくつかではお昼の時間にパイプオルガンの演奏が無料で聞くことができます。ミサ、コンサート建物、ステンドグラス、壁画などのすばらしさに歴史を感じました。キリスト教の国にはかかせない教会。たくさんの人々が集う場として、大切な存在です。


オーガニックフードのこと

ほとんどの大きなスーパーでは、オーガニックコーナーがあります。しかも種類が豊富で驚きます。見てるだけでも楽しく、パッケージもかわいいんです。この写真のメーカーSALTAの商品は友子さんも好きで、小麦粉や穀物、豆などを愛用しています。豆も種類が豊富、レンズ豆は数種、キドニービーンズ白いんげん小豆ひよこ豆大豆など。ごまあわもあります。そして右上についているマークKRAVはスウェーデンで多く見られるオーガニックマークです。このマークがついている商品は安心して買うことができます。環境の先進国でもあるスウェーデン、日本よりもオーガニックし商品への意識も高いのではないかと思います。

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4月に入ると、キリストの復活をお祝いするイースターがあります。スウェーデンでは、イースターはクリスマスに続く大きな行事です。イースターの日は年によって日が変わり、私が過ごした2009年は4月11日でした。この日より前の一週間は、学校はお休みになります。このお休みを利用していよいよ庭仕事をはじめました。ちょうどこの時期には水仙が咲き始めます。水仙はイースターの花なのです。


イースターのごちそう                              

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クリスマスと同じような豪華なメニューです。セイタン(作り方はこちら)はみんなで作り、カツにしました。セイタンを作るのは年2回。それにクリスマスと同じく、友子さんの誘惑、ビーツのりんご酢煮、にしんのマリネ2種、さけのマリネ、白菜のサラダ、黒米入り玄米ごはん。小川家のごちそうの定番メニューです。

◇ビーツのりんご酢煮◇

3月のちらし寿司にも登場した真っ赤なカブのような根菜、ビーツ。薄くスライスしてりんごジュースとりんご酢を少々入れて柔らかくなるまで煮ると、ほのかな甘味と酸味が効いた見た目もきれいな一品になります。ビーツは日本ではあまり見かけないですが、スウェーデンではよく知られている野菜。てんさい糖の原料になる砂糖大根の一種だそうです。そういえば、日本でも赤かぶを甘酢漬けにしたりしますよね。

ようやく外も暖かくなってきたので、ランチは外のテーブルでいただきました。家族揃って食べたご飯はおいしいだけではなくて、やさしい、そして春がやってきたうれしさが感じられ、特別な味でした。


ガーデニング

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2月の終わり頃から、部屋の中でバジルパセリレタスを育て始めました。最初は土を入れた容器にばらっと種をまき、大きくなってきたら写真のようなコンテナに移植しました。家の中で一番暖かい部屋においたら順調に成長していきましたよ。毎日の成長を見るのが楽しみで子供たちと交替で成長日記もつけました。パセリは4月下旬に外に植えました。バジルは寒さに弱いので、気温と相談しながら5月半ばごろだから植えました。その後はゆっくりですがすくすくと育っていきました。


日本のさくら

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ストックホルム中心地にあるKungsträdgården(王立公園)には、日本から送られた桜が植えてあります。こんな所で桜が見れるなんてびっくりしたものでした。ちょうど4月の終わりごろが満開で、こんなにすばらしい桜並木をスウェーデンで見ることができたこと、それに日本がこんな遠くの国でも知られていることがうれしかったです。この桜の少し後に八重桜を街でみつけました。人目を気にしながらも少しいただいてきて、桜の花の塩漬けをつくりました。至る所で春を感じる4月は喜びの季節です。冬が長い北欧の人々にとっては待ちに待った春なんです。

3月になりました。まだ寒いですが3月というだけで気持ちもうきうきしてきます。3月3日は日本ではひなまつりですね。女の子のお祝いなので、長女まいちゃんにこの日は特別なものを作りたいと前から考えてました。ひなまつりにふさわしく豪華でかわいい、名づけて「ちらしケーキ」ができました。    

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◇ちらしケーキの作り方

すし飯:玄米 1ℓ 水 玄米の1.4倍  塩 小1/2

圧力鍋で玄米を炊きます。圧が上がってから弱火にして20分、15分蒸らします。

すし酢:梅酢 大3 玄米酢 大2(塩小 1/2を混ぜておくとマイルドになります)

材料をあらかじめ合わせておきます。

炊き上がった玄米ごはんにすし酢を混ぜて、木べらで切るようにかき混ぜながら冷ませば、すし飯のできあがりです。のり巻きを作る時も同じようにすし飯を作ります。マクロビオテックのすし飯は梅酢だけでもおいしいと思ってましたが、玄米酢を入れることで少し酸味がきいて、味わいの深いすし飯になります。           

ケーキ型の下半分にすし飯を詰め、間に椎茸人参コールラビしょうゆで煮たものをのせ、その上に再びすし飯をのせます。上に飾った食材は、水切りした豆腐をフードプロセッサーにかけて細かくし、ビーツの煮汁で煮たもの。煮たビーツは千切りに。黄色の錦糸卵に見えるのは、小麦粉うこんの粉を混ぜてクレープのように焼き、それを千切りにしたもの。人参は花形に型を抜いて蒸し煮しました。最後に茹でたブロッコリーを飾って出来上がり。初めて挑戦しましたが、見た目もきれいでひなまつりにふさわしいご飯になりました。もちろん好評でした☆

 

友子さんの誕生日

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3月は友子さんの誕生日。お母さんのためにと子供たちが協力して作り上げたお祝い。長男れお君は混ぜごはん、そして大きなバースデーロールケーキを作ってくれました。恒例の演奏会では、子供たちができる楽器を演奏しました。やさしくてうれしそうな表情の友子さん。母としていつも忙しいけどこの日は何もしないでいい特別な日。子供たちからのおもてなしきっと喜んでくれたことでしょう。私はクッキーでこんなのを作りました。


フォークミュージック

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月に一度街から離れた小さな建物で、スウェーデンのフォークミュージックの演奏があります。音楽が好きな人が集まり演奏しています。バイオリン、フルートなどをはじめ、スウェーデンの伝統的な楽器、ニュッケルハルパ(nyckelharpa)の音も聞けます。滞在中2回ほどしか行けなかったのですが、私はこの小さな演奏会が大好きでした。演奏している人もさまざまでみんなすごく楽しそうに演奏しています。聞いていると気持ちも明るくなり私も楽器が演奏できたらいいなぁと思ったものでした。すぐ身近かで聞けるし、無料で楽しめるというのもすばらしいことです。

まだまだ寒いですが、日差しは少しずつ春を感じさせ、日照時間もだいぶ長くなってきた2月。小学4年生の末っ子まいちゃんのクラスメイトを招待してお誕生日会をしました。かわいい女の子たちが集まってにぎやかな会になりました。

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スウェーデンではお誕生日会などではホットドッグをよくだすようです。街を歩いているとホットドッグを売っているお店をよく見かけますし、食べている人もけっこういます。スウェーデン語でkorv med brodといいます。小川家ではお肉や添加物の入ったものは食べないので、子供たちにとってはあまりなじみのないもの。でも食べたくなりますよね。そんな要望を聞いた友子さん。何でも作ってしまいます。パンは11月の記事で紹介した、バーガーの生地と同じものを使い、形を変えました。ソーセージはベジタリアン用のものがオーガニックショップで買えるので、ケチャップソーセージをパンに挟んで出来上がりです。

誕生日のメインはなんといってもバースデーケーキ。小川家では基本的にを食べないですが、誕生日のケーキには良質な卵を使います。マクロビオティックだとスポンジを膨らませるためにベーキングパウダーを入れることが多いのですが、友子さんはベーキングパウダーは何からできているか分からないので使わないと言います。今までそんなこと考えたこともありませんでした。

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焼きあがったスポンジクリームを塗り、季節のフルーツを飾ります。シンプルだけどマルトの自然な甘さが体にやさしいケーキです。もう一つのデザートは以前紹介したシリアルバー、それにポップコーン。子供たちはケーキをみて大喜びです。やっぱりみんなケーキは大好きですね。

スウェーデンの誕生日の歌と言えば、ハッピーバースデー♪ではなくて「ヤー モ フン(ハン)レーバ」という曲。誕生日の時には必ず歌うスウェーデン語のこの歌。国に独自のバースデーソングがあるっていいですね。今でも頭の中に残っています。

 

◇人気のおかず「餃子」◇

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子供たちに「きょうのごはんは?」と聞かれて「餃子(ぎょうざ)」と言うと、いつもみんな大喜びです。月に1回は作りました。ただ1回に60個は作らないと間に合わないし、餃子の皮から作るのでとても手間がかかるけど、具材は何でも子供たちは絶対に食べてくれるので頑張って作ります。キャベツねぎ白菜雑穀などなど。子供たちにあまり人気のない煮物を少し細かく切って具材にしたら、おいしいと食べていたのには笑ってしまいました。おかげで餃子作りが得意になりました。皮は小麦粉だけが一番伸ばしやすくて作りやすいのができます。たまに全粒粉を少し混ぜてると、私は味わいがあっておいしかったのですが、子供たちの反応がいつもと違いました。(ちなみに一度、全粒粉だけで作ったらボロボロで大変でした。)それでもとにかく餃子はみんなの大好物でした。


スウェーデンではクリスマスが大きな行事なので、新年はわりと静かです。日本のようにお正月のご馳走を食べることもないようです。

小川家では12月31日は日本と同じように年越しそばを食べ、みんなんでゆっくりとした時間をすごしながら新年を迎えました。12時ちょっと前になると、あちこちで花火が打ち上げられてそれはにぎやか。スウェーデンスタイルの新年の迎えかたのようです。


1日はお雑煮を食べました。お雑煮には、にんじんケール切り干し大根さといものような野菜が入っていて、しょうゆのやさしい味。私の日本の実家では、大根さといも、それに青海苔をたっぷりかけますが、お雑煮はそれぞれの家庭の味がありほっとするお正月の食べ物ですよね。小川家には餅つき機があり、おもちは毎年ついているようです。ストックホルムには日本食の専門店があるので、おもちはもちろん、もち米も買うことができます。

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玄米おもちも食べてみたいなと思っていたら、オーガニックショップで玄米もち米を売っているのをみつけました。なんでも挑戦する友子さん、さっそく玄米もち米を買ってきて玄米もちに挑戦!玄米もち米を圧力鍋で炊いてから餅つき機でつきます。少し柔らか目のおもちでしたが玄米の甘味があり、のりと自家製のきなこをつけるのが一番おいしい食べ方でした。

 

1日はすごく寒かったのを覚えています。-10℃くらいでした。これはこの冬で一番の寒さだったと思います。お雑煮を食べたら、毎年恒例の書初めです。久しぶりの書初め。好きな言葉、それに今年の目標もふくめていつも感じてた言葉を書きました。友子さんをみていて感じた「愛情」という言葉。私が小川家で一緒に生活をしていて、この言葉の本当の意味が分かりました。今でも私の中では大切な言葉です。

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暗くなる前にみんなで散歩にでかけました。歩いて10分ほどのところの森の入り口に、ティッペンと呼ばれる小さな山があり、頂上まで登るとあたり一面が見渡せます。森や家々、ここからの景色は本当にきれいで、気持ちがいい場所です。それに四季ごとにちがう表情をみせてくれます。冬は枯れて何にもないけど、雪が積もればそりができます。ここは私のお気に入りの場所の一つです。


◇ごま塩作り◇

ごま塩は、マクロビオティックの基本。玄米ごはんには欠かせません。小川家では月に2回ほどすり鉢ですって作っていました。子供たちも大好きでおやつのおにぎりの具や和え物なんかにも使えるので、常備しておくと重宝します。そして何よりもすり鉢ですったごま塩はおいしい!香りがあるし新鮮さを感じます。するのにはだいたい1時間以上かかります。力を入れてすると油が出てしまうので、力を入れないでふわっというイメージですります。

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小川家のオリジナルレシピは塩、ごま、ここでは白ごまを使います。分量は白ごま300mlに対して海の塩が小さじ2です。それに森で摘んできて乾燥させておいたスギナを入れます。このスギナは日本の種類とは少し違うようですが、見た目はスギナそのものです。スギナ抹茶のような風味があり、カルシウムが多く含まれていると言われてますよね。お茶もおいしいいですが、丸ごといただくにはごま塩に混ぜるという発想はすごくいいと思います。

すり鉢ごま塩を作っている時は、ちょっと疲れるけど心が落ち着きます。日本の道具、すり鉢ってすごいなぁって、遠く離れたスウェーデンの地であらためて感心しました。

 

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12月に入るといよいよクリスマスも近づいてきたなぁ~と実感してきます。スウェーデンはキリスト教の国なので、クリスマスはとても大きな行事です。12月25日の4週間前の日曜日から24日までの期間をアドベント(待降節)と呼びます。 この頃からクリスマスに向けて本格的な準備が始まります。小川家では、友子さんがかわいいアドベントカレンダーを買ってきて、きおくん、まいちゃんは一日交代で印をつけます。

日本では見たことがなかったのですが、ここでは本物のもみの木を家の中に飾ります。私の背よりも大きいもみの木にみんなで飾りつけをします。「部屋の中にもみの香りが広まると幸せを感じる」と言っていた友子さんを思い出します。


sweden-vol6-1.JPGのサムネール画像13日はルシア祭。スウェーデンでは一番大切な冬の行事と言われています。自転車で20分ほどのところにある教会ではこの日、高校生たちの合唱がありました。みんな白いドレスを着て頭にはリースをつけて、片手にろうそくを持ちサンタルチアなどのクリスマスの歌を合唱しました。教会に響き渡る歌声、高校生といえどもすばらしい合唱に魅了されました。


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ルシア祭のときに食べるのがサフランパン、スウェーデン語ではルッセカット(lussekatt)と言います。このパンは光の象徴を表しているそうです。これを作るのは長男れお君の役目。サフランの香りとやさしい甘さ、そして食べやすい大きさ、それにこのS字形がかわいい。

クリスマスのシーズンに食べるお菓子とといえば、クローブシナモンの効いたジンジャークッキー(pepparkakor)。小川家では行事のときは家族みんなで手作りします。このレシピは友子さんのオリジナル、マクロバージョンです。この時期にしか使わないクッキー型たち。ジンジャーマン、星、もみの木、ブタ、ハートなど‥3ミリほどの厚さのうすいクッキーはスウェーデンスタイルです。手作りのブタのビンに入れておやつや食後にいただきます!


クリスマスのごちそう

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クリスマスは特別な日。それぞれの家庭では家族そろってごちそうを食べます。伝統的なスウェーデン料理を友子さんがアレンジして、スウェーデンスタイルのマクロビオテックデイナーで毎年お祝いをします。

スウェーデンの代表的な料理「ヤンソンさんの誘惑」は「友子さんの誘惑」と名を変えて乳製品と魚を使わずに作ります。さけのマリネ、にしんのマリネも味を変え3種類ほど。色取りがきれいなビーツの甘酢煮。玄米は黒米を入れて炊きました。

そして小川家でクリスマスイースターの時だけに作るのがセイタンです。セイタングルテンミートとも言われ、小麦粉にあるでんぷんをもみ出してグルテンを取り出してつくるものです。

◇セイタン(グルテンミート)の作り方◇

小麦粉 1kg、560ml

ボウルに入れた粉と水を15分ほどこねます。ボウルにぬるま湯を入れてこねた生地がつかるようにします。30分後、つけてある水の中で静かにでんぷんをもみ出していきます。汁が真っ白になったら別のボウルに汁を移し、新しい水を入れて同じ作業をします。これを3、4回くり返します。生地がでんぷん質を取り出し小さくなって繊維状の固まりになったらできあがり。できたグルテンを1cmほどに切り、たまねぎ、にんじん、しょうが、にんにく、昆布そしてしょうゆと一緒に煮ます。この味付けしたグルテンをセイタンといいます。

小川家ではこれにオートミールの衣をつけてセイタンカツにします。子供たちも一人1kgの粉をこねます。小さな子たちにはけっこう大変な作業だけど、みんな大好きなセイタンカツを食べたいのでがんばって作ります。全ての料理においしさとともに暖かさと感じました。

日本とはちがう北欧のクリスマス。今思うととても貴重な経験でした。「クリスマス 家族で作る あたたかさ」。


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11月になるとスウェーデンでは本格的に寒くなってきます。紅葉も終わり、木々の葉もすっかり落ちてしまいました。日照時間もかなり短くなってきて、お天気の悪い日はどんよりとしていて、気持ちも沈みぎみです。なのでたまに晴れた日の日差しはとても貴重です。この年は11月半ば過ぎに雪がけっこう積もりました。

寒さが苦手な私にとって、初めての北欧の冬がいよいよ始まります。

そんな寒くなってきた季節には、暖かいものが食べたくなりますよね。たくさんの根菜と豆の入ったスープは体が暖まります。スープに使う野菜は、にんじん、たまねぎ、それにコールルートという黄色いかぶ、パルステナッカという白いにんじん、セロリルートが主です。スウェーデンに来てから初めて見た野菜もいくつかあります。その時にある野菜も加えて重ね煮し、レンズ豆やひよこ豆などをいれて基本は塩で味付けます。根菜のうまみがいっぱいのスープです。

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そして家族みんながそろうときには、をします。大きな土鍋に野菜をたくさん、白身魚や鮭も入れて、そして取り合いになるのが春雨。フタを開けたとたんに子供たちで春雨の取り合いです!

鍋のときはしょうゆとレモン汁の自家製たれにつけていただきます。これがまたおいしいです。小川家では月に1,2回魚を食べます。北欧のマクロビアンは時々、魚を食べるそうです。寒い国なので動物性のものも少しは必要なのでしょう。


◇小川家の自家製酵母パン

友子さんの酵母全粒粉玄米でまずを作ります。全粒粉 100ml、 炊いた玄米(少し古い方がよく発酵します)200ml、 100mlをビンに入れてまぜ常温におきます。一日ほどたつと発酵してくるのがみられるので、さらに全粒粉 50mlをたしてよく混ぜる。翌日、酵母が元気なようならさっそくパン作りができます。使ったらそのつど、粉や玄米、水をたしていきます。

いつものパンは、全粒粉大麦ライ麦などをひいたミックス粉 800ml 、酵母 200ml、 200ml、 小1 でつくります。穀物類はミックスして粉ひき機でひき、その他の材料を合わせて生地をこね、一日ほどねかせてから焼きます。このパンは酵母のくせもなく、粉の味がよくひき出されていて、焼きたてなんて特においしい!そのままでももちろんいいけど、タヒニをつけて食べるのも好きです。子供のお弁当などの時はハンバーガーみたいにするので、小麦粉を中心とした軟らかめのパンを作ります。  

粉をひくというのはあまりなじみのないことと思いますが、小川家には木製の粉ひき機があり、それでいろいろな穀物を粉にできます。大麦小麦ライ麦カラス麦玄米豆類なども粉にできます。日本では見たこともない穀物もあります。この粉ひき機が便利なのは、いろんな穀物を混ぜられること。ひきたての粉は香りがよくて新鮮です。私もいつか欲しいなぁ。


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◇友子さんのマクロビオティックバーガー◇

焼いた丸いパンを半分に切り、タヒニマスタードをぬります。豆腐のステーキきゅうりトマトなどその時にある野菜をのせて、ハーブソルトを少しかけて出来上がり! お休みのときは下の子たちもマクロバーガー作りを手伝います。このバーガーはみんな大好き!



                                      

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◇簡単シリアルバー◇

穀物のつまった簡単おやつシリアルバーを紹介します。

Riskakor(ライスクラッカー)をくだいたもの 300ml 、オートミール 300ml、マルト 150ml 炒った白ごま 50ml、アーモンドスライスひまわりかぼちゃの種など 100ml

ライスクラッカーを鉄板に広げて180℃のオーブンで7分ほど焼く。フライパンにオートミールごまアーモンドを入れ混ぜ、そこにマルトを加え混ぜ合わせる。火は中火で。火を止めてライスクラッカーを加えてなじませて、油をぬった型に入れて手で押して広げ、冷ます。冷めたら固まってるので、切って食べます。


10月は林檎(りんご)の季節です。スウェーデンでは一家に一本と言っていいほど、どこのお宅の庭にもりんごの木があります。日本の大きなりんごと違って、小さめでかわいいサイズです。

小川家にもありますがまだまだ小さい。いつも利用する近くのバス停のそばにはたわわに実がついた木が何本かあります。スウェーデンでは、こういう場所にあるものはみんなで共有していいという法律があるそうです。なのでこのりんごは穫ってもいいんです!それに食べてあげた方がりんごも喜ぶはず♪

なのでわたしもいくつか収穫させてもらい、デザートにしたり、煮てみたり、ドライりんごにもしました。果物ではりんごが一番好きです!

痛んだりんごはカットして鍋に入れ塩をふり蒸し煮しました。この塩煮りんごはおすすめです。友子さんのレシピでいくつかお気に入りのデザートがありますが、アップルクランブルは簡単でおいしい!ので3回くらい作りました。なんせ家族6人ですから一回で食べちゃいます。

◇りんごのレシピ◇

アップルクランブル

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全粒粉 200cc オートミール 500cc なたね油 100cc りんご 4個 マルト 100cc

全粒粉、オートミール、油をよく混ぜ合わせる。ガラス耐熱皿にに薄くスライスしたりんごを並べていく。その上に粉類を混ぜたものをのせて、最後に溶かしたマルトをかける。180度に熱したオーブンで20分焼く。冷めたらスプーンでお皿に盛り、お庭のミントを飾る。本当に簡単です。

8月に入るとではきのこが採れ始めます。それらを見つけに行くのも森を散歩する楽しみの一つです。友子さんは自然が大好きなので、休みの日は子供たちを誘って森へ行くのが楽しみなようです。でもこの時期は散歩だけでなく、きのこ狩りができると言えば子供たちも喜んで着いて行きます。食べれる種類はいくつかあるようですが、知っているのはほんの少し...。友子さんはもっともっと知りたいらしく、近所に住んでいるきのこに詳しいおじさんと森へでかけることになりました。

sweden-vol3-kinoko.jpgいつもと違う大きな森はどこまでも広がっているようです。きのこがありそうな場所は木の下や、湿った場所などです。しばらく歩いていると次々と食べれるきのこがみつかります。「これは?これは?」とおじさんに聞けば何でも分かります。Kantarell(カンタレル), Karl Johan(カール・ヨーハン)などなど数種類。生まれて初めてみる種類のきのこたちに興奮ぎみの私。

帰る頃には持ってきたバスケットがいっぱいになりました!うちに帰りさっそく調理です。と言っても汚れた部分をとり、食べやすい大きさに切りフライパンでソテーするだけ、これが一番おいしい食べ方だと思います。味付けは塩で。とっても新鮮で、お店で売ってるのと違ってシャキシャキとしておいしかった!


◇森のきのこレシピ◇
ズッキーニボート

ちょっとアレンジしたきのこレシピです。大き目のズッキーニを半分に切り、中身をくり抜きます。きのこ、たまねぎ、一番上にホールトマトをのせて重ね煮します。味付けは、お好みですが、私はみそ、しょうゆ、隠し味にシナモンをいれました。これをくり抜いたズッキーニに詰めてオーブンで焼きます。

ひよこ豆のポテトサラダ
茹でたジャガイモとひよこ豆のマッシュを半分ずつ使います。にんじんやきゅうりなどその時にある野菜を入れて、しょうゆと塩、タヒニで味を決めます。タヒニゴマペーストのことです。日本のゴマペーストと少し味が違います。私はタヒニが大好きです。加えると味にコクがでるんです。マヨネーズを使わなくてもおいしい、子供たちに人気のサラダです。

プロフィール

くみこ
「手作りする暮らしをしたい!」「日本の伝統食の大切さを海外にも広めたい!」そんな思いから、国内外のマクロビオティック実践者やオーガニックファームを訪ね滞在しながら自分にあったライフスタイルを模索中。からだにやさしいごはん・おかし研究家。

アイテム

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