2010年12月アーカイブ

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12月に入るといよいよクリスマスも近づいてきたなぁ~と実感してきます。スウェーデンはキリスト教の国なので、クリスマスはとても大きな行事です。12月25日の4週間前の日曜日から24日までの期間をアドベント(待降節)と呼びます。 この頃からクリスマスに向けて本格的な準備が始まります。小川家では、友子さんがかわいいアドベントカレンダーを買ってきて、きおくん、まいちゃんは一日交代で印をつけます。

日本では見たことがなかったのですが、ここでは本物のもみの木を家の中に飾ります。私の背よりも大きいもみの木にみんなで飾りつけをします。「部屋の中にもみの香りが広まると幸せを感じる」と言っていた友子さんを思い出します。


sweden-vol6-1.JPGのサムネール画像13日はルシア祭。スウェーデンでは一番大切な冬の行事と言われています。自転車で20分ほどのところにある教会ではこの日、高校生たちの合唱がありました。みんな白いドレスを着て頭にはリースをつけて、片手にろうそくを持ちサンタルチアなどのクリスマスの歌を合唱しました。教会に響き渡る歌声、高校生といえどもすばらしい合唱に魅了されました。


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ルシア祭のときに食べるのがサフランパン、スウェーデン語ではルッセカット(lussekatt)と言います。このパンは光の象徴を表しているそうです。これを作るのは長男れお君の役目。サフランの香りとやさしい甘さ、そして食べやすい大きさ、それにこのS字形がかわいい。

クリスマスのシーズンに食べるお菓子とといえば、クローブシナモンの効いたジンジャークッキー(pepparkakor)。小川家では行事のときは家族みんなで手作りします。このレシピは友子さんのオリジナル、マクロバージョンです。この時期にしか使わないクッキー型たち。ジンジャーマン、星、もみの木、ブタ、ハートなど‥3ミリほどの厚さのうすいクッキーはスウェーデンスタイルです。手作りのブタのビンに入れておやつや食後にいただきます!


クリスマスのごちそう

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クリスマスは特別な日。それぞれの家庭では家族そろってごちそうを食べます。伝統的なスウェーデン料理を友子さんがアレンジして、スウェーデンスタイルのマクロビオテックデイナーで毎年お祝いをします。

スウェーデンの代表的な料理「ヤンソンさんの誘惑」は「友子さんの誘惑」と名を変えて乳製品と魚を使わずに作ります。さけのマリネ、にしんのマリネも味を変え3種類ほど。色取りがきれいなビーツの甘酢煮。玄米は黒米を入れて炊きました。

そして小川家でクリスマスイースターの時だけに作るのがセイタンです。セイタングルテンミートとも言われ、小麦粉にあるでんぷんをもみ出してグルテンを取り出してつくるものです。

◇セイタン(グルテンミート)の作り方◇

小麦粉 1kg、560ml

ボウルに入れた粉と水を15分ほどこねます。ボウルにぬるま湯を入れてこねた生地がつかるようにします。30分後、つけてある水の中で静かにでんぷんをもみ出していきます。汁が真っ白になったら別のボウルに汁を移し、新しい水を入れて同じ作業をします。これを3、4回くり返します。生地がでんぷん質を取り出し小さくなって繊維状の固まりになったらできあがり。できたグルテンを1cmほどに切り、たまねぎ、にんじん、しょうが、にんにく、昆布そしてしょうゆと一緒に煮ます。この味付けしたグルテンをセイタンといいます。

小川家ではこれにオートミールの衣をつけてセイタンカツにします。子供たちも一人1kgの粉をこねます。小さな子たちにはけっこう大変な作業だけど、みんな大好きなセイタンカツを食べたいのでがんばって作ります。全ての料理においしさとともに暖かさと感じました。

日本とはちがう北欧のクリスマス。今思うととても貴重な経験でした。「クリスマス 家族で作る あたたかさ」。


プロフィール

くみこ
「手作りする暮らしをしたい!」「日本の伝統食の大切さを海外にも広めたい!」そんな思いから、国内外のマクロビオティック実践者やオーガニックファームを訪ね滞在しながら自分にあったライフスタイルを模索中。からだにやさしいごはん・おかし研究家。