小川家はスウェーデンの首都、ストックホルム中心地から地下鉄とバスを乗り継いで約1時間半ほどのところにあります。静かな住宅地が立ち並んでいる一角ですが、すぐそばには歩いて行くことができる大きな森があります。自然を大切にするスウェーデンの人々にとって森はとても大切な場所です。
8月のさわやかな暑さのある日、ちょうどブルーベリーのシーズンということでみんなで森へ散歩に行きました。歩いていると大きな木々の下に小さな木が群生している場所が所々あり、直径5ミリほどの小さな実をつけています。これがワイルドブルーベリーです。食べてみると甘酸っぱくて濃厚な味でおいしいんです。感動しました。7月から9月の初め頃まで収穫できるようです。みんな指を紫色に染めながら摘んでいます。摘むもう一つの楽しみはつまみ食い。子供たちの口の周りは紫色、だから食べたのがすぐ分かってしまいます。
スウェーデンの自然がくれた夏のおいしい贈りものですね。一年にこの時期しか採れない旬の恵み、ワイルドブルーベリーを使って子供たちの大好きなデザート作りをしました。
ブルーベリーの手作りデザート ~友子さんのレシピより~
玄米ブルーベリードリンク
簡単に作れるのはブルーベリードリンクです。
玄米ごはんと水をミキサーにかけてよく攪拌(かくはん)してから豆乳、マルトを加えます。最後にブルーベリーを加えて出来上がり!のどごしがよくて飲みやすいおしゃれなドリンクです。
マルトとは小麦飴のことです。スウェーデンは寒い国なのでお米は採れません。その分小麦はたくさん採れる国なので、小川家では全ての甘味は小麦から採れるマルトを使います。その土地のものを使うのもマクロビオティックの考え方ですね。マルトは寒いと白く固まりますが溶かすと透明になります。なめるとすごーく甘い!
ブルーベリーパイ
パイ生地は挽きたて全粒粉、なたね油で作ります。その上に玄米クリーム(玄米粉、豆乳、マルトで作ります)、溶かした寒天で煮たブルーベリーをのせてかためます。こんなに贅沢なパイは見たことがないというくらいぎっしりのブルーベリーを見たら、驚かない人はいないでしょう。できたパイと番茶を飲みながらみんなでFIKA(フィーカ)の時間です。FIKAとはスウェーデン語でお茶の時間のことです。スウェーデン人はお茶を飲みながら甘いケーキなどを食べる、そんな時間が好きなんですね。
ちなみに8月は私の誕生日、家族みんなでお祝いをしてくれました。手作りのケーキにプレゼント、本当にうれしかった。誕生日の日は友子さんとみそ作りをしました。日本以外の場所でみそを仕込むなんて考えもしなかったことです。みそはマクロビオティックはもちろん、世界中で使われている日本の代表的な調味料です。みそは日本語ですがmisoと言えば分かる人は多いし、みそ汁はmisosoupと言えば通じます。オーガニックショップでも必ず売っています。でも安心できていいものは値段が高いので、できるなら手作りするのが一番ですね。
小川家のみそ汁
友子さんはほとんどの料理は*油をつかわずに重ね煮をします。もちろんみそ汁も。
季節の野菜を鍋の下から陰性、上に行くに従って陽性のものを重ねます。一番上に塩をふり、おいしくなるようにと愛情を込めてふたをします。野菜が柔らかくなったら、出し汁をいれ、溶いたみそを加えます。重ね煮とは野菜本来のうまみを最大限に引き出す調理法です。陰陽の順に具を重ねていき、お鍋の中でそれぞれのもつ素材のうまみが調和されておいしくなるのです。
次回は初秋の恵みスウェーデンのきのこ狩りの様子と、小川家の日常ごはんレシピをピックアップする予定です。
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