立冬と森のようちえん

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今年の「立冬」は11月7日。太陰暦で季節を現す二十四節気の一つで、この日から立春までが冬と言われている。

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今日の場所は、私の故郷である新潟県上越市。この時期、遠くの山では山頂が霜でうっすらと白く覆われ、郷では冷たい雨が降ったり止んだりと安定しない天気が続く。少しずつ近づいてくる雪の気配に、冬支度に追われる忙しい季節でもある。

「お魚さん、みつけた。」  

小川から流れて来た落ち葉が、子どもたちの想像力で忽ち魚に変身する。すると今度は木の枝が釣り竿へと変身。森の中にある全てのものが遊び道具になる。

実家から車で5分ほどの山の麓にある「森のようちえん」を初めて訪れる人は、少し驚くかもしれない。幼稚園と言ってもそこには建物も無く、森を少し切り開いた広場と豊かな山があるだけだ。子どもたちは毎日そこに集合し、そして一日を過ごす。ツンと肌を刺す今日の寒さも何のその。森で遊ぶ子どもたちは、元気いっぱいだ。

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広場にある炊事場では毎日朝から火を焚いている。寒さも厳しくなるこの時期、暖をとる為であるが、森の住人に人間がいることを知らせる為でもあると言う。

「ここには人がいますよ。郷に降りて悪さをしませんように。」

自然と人間との境界線上を踏みしめながら、子どもたちは知恵と想像力を身につけていく。

次にやって来る節気は11月22日の「小雪」。郷にも雪が降り始める頃と言われている。

 

〜こよみ散歩の小径(こみち)みやげ〜

秋から冬にかけてのこの時期、金沢の美術館でもクマが出現するらしい? ちょっと変わったそのクマとネズミが、街に繰り出し見えてくる「人間社会」の風景。

ペーター・フィッシュリ ダビット・ヴァイス


2010年9月18日(土)~12月25日(土)

http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=45&d=854

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プロフィール

阪田清子(さかたきよこ)
1972年新潟県生まれ。1995年に沖縄へ移住。現代美術家。 暦を通じて日々の生活の中で出会う「人・場所・モノ」を緩やかに繋げて紹介していきたいと思っております。