旧盆と銀天街

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那覇I.Cから北へ車で15分。沖縄南I.Cを出ると、那覇とはまた違う街の様子が見えてくる。空港通りを左折し330号線をさらに北へ5分向かうと銀天街のあるコザ十字路に到着する。戦後、人・モノが行き交う十字路で自然発生的に形成された市場が銀天街だ。

img1.jpgその市場内にある惣菜通りで楽しい会話の時間を過ごしたのは、つい先日のこと。通り沿いに置いたプランターの話や月に一度の銀天街祭りの話、店主とのおしゃべりにご近所さん達も加わる。購入した昆布の煮付けと島豆腐を手渡しながら「シチグヮチのときは、こんなにゆっくりできないさ。」と、また笑った。

今年のシチグヮチは、8月22日〜24日。
その時期になると昔ながらの市場や商店街は、準備の為の買い物客で活気づく。「シチグヮチ」とは沖縄の方言で旧盆(旧暦7月13日〜15日)のことを意味する。家族や親戚そして祖先が集まる沖縄の大事な年中行事の一つだ。

img2.jpg旧盆初日はウンケーといい、どの家庭でもジューシー(炊き込みご飯)を準備し祖先を迎え入れる。二日目のナカヒーでは、仏前に朝昼晩の三度の食事とおやつを準備。最終日の祖先をお送りするウークイは、三枚肉昆布などが入った重箱料理を用意する。
あの世の人もこの世の人も、共に「食」を囲み語り合う。時空が緩やかに交差する一時なのだ。



~こよみ散歩の小径(こみち)みやげ~

銀天街では、シチグヮチに合わせたイベントが開催される。暦と場所が合わさったちょっと不思議なスパイス。この時期、普段とは違った銀天街が味わえる。

◇コザクロッシング2010 土着現代アートフェスティバル
2010年8月16日(月)~8月29日(日)
http://aaf.gintengai.net/

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プロフィール

阪田清子(さかたきよこ)
1972年新潟県生まれ。1995年に沖縄へ移住。現代美術家。 暦を通じて日々の生活の中で出会う「人・場所・モノ」を緩やかに繋げて紹介していきたいと思っております。